前回の続きです。
以下に内容を紹介していきます。
「株はおとなのお猿電車」からの文章です。
「6.投機家と投資家
長い目で見ると、株の性質は以上のようなものであろう。
しかも、株価は毎日のように変動するもので、
全体としても好景気や不景気の影響を受けるので、
ニ年とか三年とかごとに大きなカーブをえがく。
また証券市場には投機家たちがまちかまえているし、
株屋さん自身も自分の損を他人に転嫁しようという心がけにかけて
決して人後におちないと思われるから、
一日のうちに株価が三十円も動くようなことが起る。
ことに今日のように投資信託に三千億円も資金が集まると、
「不景気の株高」をおこしたり、
最近のように「オープン相場」をあてこんで
逆に往復ビンタをくわされることがある。
一日のうちに、また一月のうちに
自分の財産がふえたり減ったりするのをみせつけられて、
ジッとしておられるのは、よほど自身を持った人か、
修養の積んだ人であろう。
投資家はいつでも投機家に変り身がきくが、
株式投資の妙味も実は大きく儲かるかもしれないという
その投機性にあるといってよい。
「ミイラのゲンコツ」が一番
そこで「どうすれば金が儲かるか」という問題になるが、
これには予想屋もおれば経済雑誌もあり、
また増田金六さんのように心の持ち方が大事だと説く人もある。
しかし、この原理も実は非常に簡単で、
「安い時に買って高い時に売る」というだけのことである。
「きいているのはそんなことではない、」
何をいつ買って、いつ売るかということですよ」
ぐらいなことは私も知っている。
しかし、それは実は、私も人からききたいことで、
今日では投資信託の動向や政治情勢や景気の動向から
ある程度測定することはできるが、
神ならぬ身だし、いわんや
相場はこちらが動かしているわけではないから、
いつも、「低値で買って天井で売る」名人は恐らく
一万人に一人もいないだろう。
従って相場に自身のない者は
これからのびると考えられている自動車とか
電子工業とか建設業とか石油化学、
あるいは日本の経済と運命をともにするような鉄鋼業や
不景気に強い食品株等々の中から自分の好きなものをえらび、
一度握ったら絶対に離さないという
「ミイラのゲンコツ」流で行くべきであろう。
株屋さんや経済雑誌があまりそんなことをすすめないのは、
もし皆がそんなことをしたら、
株屋さんも手数料が儲からなくなるし、
経済雑誌も売れ行きが悪くなるからであろう。
遊園地におサル電車というのがある。
子供の夢をのせて軌道の上を走る。
おサルが動かしているわけではないが、
おサル電車とよばれている。
株はオトナの夢をのせて走る。
儲かったら家を建てようと考えている人もあろうし、
老後の退職金を自分の手で作っている人もあろう。
この電車、むかしは白足袋の機関手が動かしていると考えられていたが、
何のことはない。
実は白足袋の方も動かしているようなフリをして
乗っかっているのである。」
株をやる人は一攫千金の夢を持っているし、狙っています。
しかしながら、そう簡単なものでありません。
自分の持っている銘柄が、なかなか上がらないと
辛抱しきれずに、しびれをきらします。
私も修行が足らず、しばしばそうやって来ました。
そういう中にあって、邱先生のコラムに書いてあった
ある成長株が半年ぶりに動きがありました。
この成長株の会社には、考察団で見に行ったこともあるし、
経営者の話を聞いていたので、安心感を持っていました。
また将来性があると考えていました。
この銘柄には「ミイラのゲンコツ」流でいこうと思っています。